「こんな私が介護をやってちゃダメだと思うんです」・・・母校の恩師にそう告げると、涙が止まらなくなった・・・まだ若いケアワーカーの女性の言葉です。
入居者のトイレを介助していたら、別の入居者がトイレに行きたいと名前を呼ぶ声が何度も聞こえる。でも、人手が少なくて対応できない。
「ちょっと待ってね」・・・またこの言葉を言ってしまった。あとで「何度も呼んでごめんね」と謝られたこともある。
また誤らせてしまった・・・対応できない自分が悪いのかな〜。涙が出てきた。この仕事、向いてないのかもしれない。
イヤイヤ、そんな時は誰でも「ちょっと待ってね」と言いますよね〜。
トイレに付き添ったばかりの女性入居者にナースコールで呼ばれ、湿布を貼ってほしいと頼まれた。それを終えて部屋から出ようとすると、また名前をよぶ声が聞こえた。「また?」・・・つい、舌打ちをした。やばい。と思った。
お年寄りにイライラするなんて。反省して落ち込み、自分のことをいやになるにつれて、心身ともに疲れが抜けなくなっていく・・・
悩みを打ち明けた上司は、「サポート態勢を考えよう」と言ってくれた。でも人手を増やすわけにはいかないようだった・・・それが現実。救われようが無い。
彼女の目指すべき理想の介護は、「入居者が人生の最期のときまで笑って過ごせること。最期まで一緒に過ごせることを誇りに思えるような仕事をしたい」と。
真面目に、真摯に、「相手と向き合わねば」と思う人ほど自分を責めて潰されてしまうのですね〜。純粋な思いで特別養護老人ホームで働く女性が、心理的に潰されていく様子に、胸が痛くなりました。
これからの高齢化社会に、何より大切な仕事なのに、こんなに純粋な思いで取り組もうとしているのに・・・。
保育士さん、介護職の方・・・これからの世の中になくてはならない仕事なのに、そのお給料は決して高くない。
せめてそのお給料、何とかならないものでしょうか?
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