仕事上で繋がりの深かった女性美容師のY・Iさん。2002年からのご縁なので、もう18年のお付き合い。
ここのところ体の調子が良くないと聞いていたので、今年2月のコンベンション(1年に1回のイベント)で久しぶりにお会いできたのは、本当に嬉しかった〜❤️
それから4ヶ月、新型コロナウィルスの影響でバタバタしていた頃、Y・Iさんから会社にお電話がありました。
「今まで癌の治療をしてきましたが、もう治療できることは無いので、退院して自宅にいます。これが最後になるかなと思ってお電話しました」
と。
「エーッ!」と絶句‼️
「こんな時、何を言ってあげたらいいのだろう〜」と戸惑っていると、
「○○○さん(私の会社)には本当にお世話になりました。どうしてもお礼が言いたくてお電話しました」
と明るい声でおっしゃる。
こちらもその明るさにつられて、18年間の思い出をいろいろとお話し出来たのでした。
5年前に亡くなられたご主人も美容師さんで、仲良く泊まりがけの研修に参加されたこと・・・
「○○パパ」「○○ママ」と呼ばれて、みんなに親しまれて、楽しく勉強したこと・・・
そして最後に、
「この仕事はぜひ娘に継がせたいので、どうぞよろしくお願いします」と。
「もちろんです‼️」とお約束しました。
お電話くださったこと、お声が聞けたことが、とても嬉しかったです。
そしてお盆休みの時、お嬢さんからメールがきました。
「こんにちは。娘のT子です。連絡遅くなってしまいましたが8月7日に母が亡くなりました。
最期はとても穏やかな表情になりましたので、今頃は大好きなパパの所へ行けたのかなと思っております。
生前、父と母が本当にお世話になり、感謝しきれないほどです。
学生だった頃、両親が頑張っている背中を見てきましたので、未熟ながらお店は私が続けさせていただこうと思っております。本当にお世話になりました。
またよろしくお願い致します。」
と。
最後まで自宅で看取られた娘さんもすごいな〜
そして、最後の数ヶ月は、お友達、長年のお客様、ご親戚・・・いろいろな人が訪れて、いろんな思い出話をすることができて本当に幸せだったと。
そういえば、あの樹木希林さんも「癌はいい病気です」と言っていた。
なぜならば、
「人生の締めくくりが出来るから」
そして、
「布団の上で死ねるなんていうのは上出来なことなのよ。ガンは布団の上で死ねる病気なの。」
と。
Y・Iさんは享年70歳。
まだまだお若かったな〜と思う気持ちもあるけれど、最後の電話で「幸せな人生でした。感謝しています。」とおっしゃっていたご本人。
そして「母は幸せでした!」と言い切られる娘さん。
彼女は最後までご自分の人生を生き切られたのだな〜と感じます。
健康に恵まれている人間が安易に言えることでは決してありませんが、「自分で自分の人生の終止符を打てること」、「癌になって良かった」と心から思えること・・・
ある意味、羨ましいなぁと思えた出来事でした。
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