いつだったか、68歳の女性の新聞の投稿を読んで、思わず顔がほころびました。新聞を切り抜いて、時々読みたくなるほと、気に入っています^_^
それは、ご主人との最後の時間のお話。40代で離婚した私にとって、心底羨ましいな〜と思えるお話です。ちょっとお裾分けを。
「我が家には富士山が見える窓がある。晩秋から早春にかけて、空気が澄んだ季節。日が沈み、西の空があかね色に染まる頃、夫の車椅子を窓に寄せ、その美しいグラデーションの中に富士山のシルエットを見た。
私が『見る?』と聞くと、夫は決まって『見る!』と弾むように答えた。毎日見ているのに、窓を開けるといつも『おう!』と小さく感嘆の声をあげた。
しばらく、私たちは今日という日の最後の輝きを謳歌するかのように、。急ぎ足で変化していく夕映の空を静かに眺めた。夫は時には色鉛筆でその風景を描こうとするのだが、空の色彩の変化に追いつけず、いつも未完成だった。
夕方と夜のはざまに時空の裂け目があるとしたら、今すぐあの稜線から何かが生まれてくるのではないか。「だいだらぼっちが出てこないかな」。一日の終わりにそんな戯れを言いながら、西の空が闇に包まれても、私たちはしばらくの間、そこにいた。
それは、富士山が大好きだった、今は亡き夫と私に流れた穏やかな時間だった。私たちは、夕方のひとときをいつも共有した。今年は写真の中の夫と2人で見ようと思っている」
・・・言葉の表現も豊かで、なんと素敵なのでしょう!
ご主人との最後のひとときを、お2人で大切に慈しんでおられたのだな〜と、じんわりとあたたか〜く、私の心まで満たしてくれるのを感じます。
ご主人は亡くなられても、この幸せの感覚はズ〜っとこの方の心に残り続けるのではないでしょうか。
人の幸せって、どこにあるのでしょうね〜❤
⭐️この一週間は、11月だというのにクーラーをつけたり・・・異常な天候ではありますが、秋晴れの過ごしやすい季節を楽しみたいですね。また月曜日に。
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