これって何のことだと思いますか?
詩人の谷川俊太郎さんが、「死」について書いておられたことなんです。
「子どもの頃は、自分より母親が死ぬのが怖かった。自分より、自分の愛する存在の死が怖いという感覚は、ほんとに長い間続きました」
そうそう、私にも覚えがあります。お母さんが死んじゃったらどうしよう〜って、それが不安だった。
そんな感情は、父親より母親に持つのですね。へその緒でつながっていたという記憶があるのでしょうか。
同じ親なのに、お父さんはお気の毒?笑
そんな谷川俊太郎さんも、90才になられた今、死に対する思いが変わってきているのだそう。
「死が親しみ深くなっているといえば変な言い方だけど、身近になっています。
死はどういうことかわからないから、やっぱり一種の恐怖の残っていますが、それはだんだん薄れていて、好奇心がある。
なんか、ちょっと楽しみなところがある訳ですね。」
へぇ〜そうなんだ〜。
「僕は、言葉ってものをあんまり信用していないんです。言葉の宿命みたいなもので、実在そのものに迫りたいと思っても、実在は言葉では捉えられないんです。死についてもそうだと思います。
だから逆に言えば、死の先に何があるのかな、という楽しみも生まれてくる。僕自身は、生と死はつながっているという風に思っているんですけどね。」と。
なるほど、詩人としての谷川俊太郎さん、「言葉」の捉え方がさすがだな〜と思いました。
そして、90才になると、そんな気持ちになるのかな〜と。
そういえば90才で亡くなった私の父も、亡くなる少し前に、
「まだ見ぬ世界やな〜」と言っていたのを思い出します。
その時は、父がどんな思いでそう言っているのか分からず、複雑な気持ちでしたが、あれはきっと「その先に何があるのか、楽しみやな〜」という心境だったのだろうと思いたいです。
・・・どうも昨日といい今日といい、100歳、90歳のお話になるのは、やはり私自身が年を重ねてきたからですかね〜。笑
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