一昨年の4月、池袋で起きた乗用車の暴走事故。2人が死亡し9人が負傷した。
90歳に近い旧通産省の幹部、飯塚幸三被告が起こした事故は、高齢者の運転の危険さを浮き彫りにしたニュースでしたね。
「他人事ではない」と、運転する高齢者の方はみんな思ったのでは?私も同じです。大丈夫と思っていても、感覚が鈍ったりするのですよね〜
明らかにブレーキとアクセルの踏み間違いだろうと思うのに、本人は決して自分の過失とは認めない。殺人事故を起こしたのに逮捕されなかった事実に対して、「上級国民」などと呼ばれたこともありました。
妻と幼い娘さんを亡くされた、遺族の松永拓也さんが「罪を認めて欲しい」と、感情的にならず、冷静に繰り返しておられたのが印象的でした。
その飯塚被告に、9月17日実刑判決が確定したとのニュース。
そして、飯塚さんは控訴しないと決めたとのこと。
「遺族の方に申し訳ない。収監を受け入れ、罪を償いたい」と。あぁ良かった〜 90歳のご高齢で収監を受け入れ、罪を償いたいと言うのはすごい勇気ですよね〜 決断されたのだと思います。
その後、大切な2人の家族を亡くした松永拓也さん の会見。
「安堵の気持ちと、正直、複雑な心境です。(飯塚被告に)罪と向き合ってもらう時間にしてもらえればなと思います」
(そして、改めて亡くされたお二人への気持ちを語っておられました)
「2人に出会えて、本当に幸せでした。たくさんの愛を教えてもらって、たくさんの愛をくれました。心から愛していると、伝えたいです。
裁判が終わった今、やっと、争いではなく、2人が愛してくれた私らしく生きていけるなと」。
松永さんの、愛する家族への思いの深さに、会見をニュースで見ながら思わず泣けてしまいました。
思いがけず死亡事故を引き起こしてしまった90歳の老人と、愛する家族を亡くした辛さと闘い続ける働き盛りの男性・・・加害者と被害者。私自身、いつ、どちらの立場になるかも知れない恐ろしさを感じます。
裁判が終わり、被告の飯塚さんも遺族の松永さんも、新たな人生を歩まれますようにと願います。
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