お母様は、料理研究家の草分け的存在である辰巳浜子さん。それを引継ぎ、広い視野と深い洞察に基づいて、新聞、雑誌、テレビなどで日本の食に提言しつづけている人。
これまでも、主宰する「スープの会」での教え方をテレビで見て、その厳しさに驚いた覚えがあります。
隣りのお友達と気楽におしゃべりしていた、ある生徒さん、
「そんないい加減な態度の人は出て行きなさい!」
と一喝されていたな〜 おぉこわ〜 生徒でなくて良かった〜(笑)
その辰巳芳子さんが、先日の新聞の対談記事で95歳にして堂々と、かくしゃくと話しておられた。そのテーマは
「自然中心でないと食べ損なっちゃう」
というもの。
「太陽とか水とか空気とか、自然との関わりを謙虚に考えなければいけない。一番取り返しがつかないのは原子力。そういうもので根本的なところをいじめないようにしないと!」と。
「この国(日本)は貧しいよ。とっても貧しいんだよ。」
「私は昭和16年ぐらいから、日本の食料がいかに弱いかというのをずっと体験してきた。いかに危ない国かっているのを、骨身にしみて知っている」と。
「食糧自給率は40%を割っている。「和牛」と言っていても、エサも輸入に頼っている」
次の世代のために何か言ってあげられるとしたら・・・と続けておられる。
「まずは、炊飯器を使わないでご飯をたける人になってごらんなさい。
それからね、煮干しでダシを引いてごらん。
そして煮干しをから入りしてかじるんだ。煮干しをかじれる人になれるかどうか、自分を試してご覧なさい。
私たちが持っているものは煮干し以外にないんです!」
なんだか背筋がピッと伸びる気がしませんか?
コロナで大変だとはいえ、今の日本には物があふれていて、食べ物もあるのが当たり前と思っている日常。
新聞記事の行間に、その厳しくも愛情にあふれたメッセージがビンビン伝わってきました。
戦争を乗り越え、惨状を目の当たりにしてきた95歳の辰巳芳子さん。
その生き方の凄まじさに圧倒されました。
すごいな〜 心から尊敬します。とてもそうなれるとは思えないけれど・・・笑
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