突然の訃報に驚きました。2年前に亡くなられた奥様と同じ「虚血性心不全」だったとか。本当に突然の最後。
亡くなり方まで同じなんて、本当に仲の良いご夫婦だったのですね〜❤️
野球界に偉大な功績を残した方だけあって、色々な特別番組が組まれていますが、私がとても印象的だったのは父親としての野村克也さんの姿です。
愛妻の沙知代さんとの一人息子、克則さんとの関係には、複雑なものがあったようです。
あの、「選手を鼓舞し、やる気を起こさせる天才」の野村監督をして、「付き合い方が分からない」と悩ませる存在が、可愛いくてたまらない克則さんだった。
かたや、同じ野球という世界に入った克則さんにとっては「偉大すぎる父親」。
「野村の息子と言われるのが本当に辛かった」と。
そうだろうな〜 そのプレッシャーは想像以上のものがあったことと思います。
つい昨年のことのようです。息子の克則さんと、孫息子と、3人で中華料理を囲みながらと言う場面がありました。すでに沙知代夫人は他界されていて、その場はとてもしらけた空気。
「僕が何をしたらいいのか、教えてくれないか」「どうしたらいいのか、分からないんだよ」と。
息子に向かって聞く野村監督の困り切った表情。カメラの前でここまで出させるってすごいな〜、誰がそれを言わせたのだろう?と思いました。
確かNHKの記者の半年間密着取材。その中のひとコマでした。
そして、記者は息子の克則さんにも取材する。彼の口からの
「今は、僕があるのは親父のおかげと、本当に感謝してます」
と言う言葉。これを父親に伝える。
「あぁ、こんなに嬉しいことはない」と涙する父親。
、、、いい仕事してるな〜(^^)
その半年間、その記者の男性が、密着しながら話を聞いていくことで、野村克也さんとも、息子の克則さんとも、心を許して話せる存在になっていたのですね。だから、カメラの前で自分の気持ちをさらけ出せたのだと思います。
その密着取材が終わったのは、亡くなるひと月ほど前のことだったようです。
取材の最後に、記者の男性が「また、会いに来ていいですか」と聞いた時、野村克也さんはこう返しています。
「もう、来んでもええ!こんな爺さんに会いに来るより、もっと意味のあることに時間を使え。君はこれからの人なんだから」
その表情が、私は忘れられないのです。
寂しいのに、会いに来てほしいのに、彼の将来を思って、わざと突き放すような言い方をする、、、
その言い方、その表情に、
「ものすごい愛情」
を感じました。
きっと、野球にも、教え子たちにも、家族にも、仕事で出会った人にも、
「惜しみなく愛情を注いだ人」
だったのだろうな〜と、改めてその「人としての魅力」を感じたことでした。
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