サヘル・ローズさんはイラン出身。タレント・女優・コメンテーターとして日本で活躍している38歳の女性。たまたまチャンネルを合わせた、NHKの「こころの時代」という番組の話に引き込まれました。
イラン・イラク戦争のさなか、幼い頃に家族を亡くしたサヘルさんは、4歳の時にテヘランの孤児院に入った。
7歳の時にイラン人の女性・フローラさんに引き取られ、親子として生活することになった。当時、フローラさんは婚約者のいる日本にやってきたが、捨てられて、母娘二人で壮絶な生活を送ることになる。
ホームレスの生活に追い込まれ、中学時代は壮烈ないじめにあう。肩が触れるだけで「サヘル菌」と言われ、貧しい中で買ってもらった靴を捨てられる・・・。
「お母さんに心配かけたくない」と思うあまり、「私は大丈夫、学校は楽しいよ」と、自分で脚本を書いて母の前で演じていた。それが日常になっていたが、本当は地獄だった。
あまりの辛さに、ある時フローラさんに「死にたい」と言ったら、「いいよ。でもサヘルがいなくなったら私も生きている意味がないから、一緒に死のう」と言われたと。実の母娘では無いのに。
このとき、切羽詰まって本音が言えたことで、母子関係に劇的な変化が生まれたのだそう。
本心を打ち明けた時、初めて母娘は分かり合えた。死に向き合った瞬間、初めて家族になれたと言うのです。死のうと思った時から生きることが始まったと。
そんな中、高校生になった彼女を救ったのは都立園芸高校の持田先生。ひとりの先生との出会いが、彼女の人生を変えたのですね。
今では、サヘルさんは、難民や困窮地域など世界の子どもたちを訪ね、話を聞き、生き抜く種をまき、育てる旅を重ねている。
テレビ画面から伝わってくる説得力、そのエネルギーは半端じゃなかったです。辛い体験があるからこそなのだな〜と、圧倒されるものがありました。
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