これは、三井住友信託銀行主催の「わたし遺産」と言う新聞のページに載っていたお話です。
宮城県在住の71歳の女性の投稿。あら、同い年だわ(^ ^)。それはこんな内容でした。
「鏡台の二番目の引き出しに、高校時代の生徒手帳をずっと大事にしまっている。
その中に、亡き父が丁寧に書いてくれた文字が残っているからだ。諸届け欄のページに。
当時私の学校では、欠席した場合、保護者の直筆でその理由を書いて捺印した生徒手帳を出席した日の朝、必ず担任に提出するという決まりがあった。
保護者である父は、幼い頃に両親が他界し、六歳で大阪市内の畳店に預けられ、働き始めた。そのため、当然学校には通えず、文字などは独学で覚えたらしい。
私が風邪で欠席した夜、父が「明日、学校へ行くんやったら」と言いながら、手帳に書くための字の練習を、幾度も繰り返していた様子を思い出す。
『風邪ノ為、欠席シマシタ」と。
あの頃は父の字を担任に見せるのが嫌だったが、父が懸命に書いてくれた生徒手帳の文字は、今では『わたし遺産』である」
・・・「娘のために」と言うお父さんの必死な姿が目に見えるようですね。ジ〜ンときました。
この記事へのコメントはありません。