評論家の川本三郎さんは78歳。7才年下の奥さんに先立たれて14年とのこと。「悲しみや寂しさは消えることはないが、もう慣れた」と。ある日の新聞から。
「日常の中でよく、どこかで家内が見守ってくれているという思いは強い。
亡くなった家内は、人間の最後の大仕事である死の体験者であり、いわば死の先輩である・・・」と。
なるほど、確かに人間最後の大仕事ですね。亡くなった父の最後に言った言葉が、「まだ見ぬ世界やな〜」ということだったのを思い出しました。その時、父はどんな気持ちだったのかな〜と思うと、心にズンときて忘れられない言葉です。
「悲しみのみが悲しみを慰めてくれる。淋しさのみが淋しさを癒してくれる」というのは、民芸運動家の柳宗悦さんの言葉。これも深いですね〜。
そして、その新聞に載っていたのが原爆の子(新藤兼人監督)のシーン。
被爆して死んでいく幼い女の子が、先に逝った母親のことを思い、ベッドに横たわりながら言った。
「もうじきお母さんに会える」。表情は穏やかだった・・・
泣けますね〜。でも、その女の子は幸せを感じていたのかも?
「この女の子の気持ちがわかる」という川本さん。愛する人に先立たれることは辛いけど、それだけ愛情が深かったということですよね。ある意味、お幸せなことかも・・・などと思ったことでした。
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