中村鷹之資さんは、若手の中でも舞台でひときわ存在感を見せる踊り手の名手。五代目中村富十郎のご長男。まだ大学生とか。
先日NHKのテレビで、父、中村富十郎さんのことを話しておられましたが、大学生とは思えない風格を感じました。
五代目中村富十郎さんは、舞踊の名手で人間国宝でもあった、偉大な歌舞伎役者。2011年に81歳で亡くなられています。
私が覚えているのは、33歳も若いお嫁さんをもらって、70歳近くでお子さんができたというニュース。ヘェ〜お元気だな〜と。
そのお子さんがこんなに立派になったんだ〜と、親戚のおばちゃんのように感激してしまいました。笑
以下は、鷹之資さんが小学校5年生の時に学校で書いた作文。
「(お父さんは)家では廊下を伝い歩きしているのに、舞台では父の声が響き渡って、なんてすごいんだと思った。誇りに思います」
病を押して舞台に立つ役者魂も凄まじいけれど、それを「誇りに思う」と言える息子さんも素晴らしい。
親子としての生活は短かったけれど、それだけにお父様の富十郎さんの思いも深かったのでしょうね〜。
NHKのテレビで放映されていたのは。中村富十郎さんの「うかれ坊主」という演目。私は初めて観ました。
華やかな衣装も無い、素踊りのような舞台。鷹之資さんの解説によると、その手の振り、足の運び、首の角度・・・真似しようにも真似できない芸術品とのこと。
確かに、ど素人の私でも惹きつけられるものがあって、すごいな〜と改めて歌舞伎の世界に魅了されました。
「順番だけ覚えただけではダメ。心が備わっていれば、自分で進んで行きますよ。」・・・生前の中村富十郎さんの言葉に、ハッと気づくことがありました。
私の仕事の「タッチアップ」と同じだなと。「型」があるから違いが分かる。日々の進歩も、まだまだという足りなさも分かる。順番を覚えただけではダメで、自ら繰り返すことで人間力が高まるのですね。
鷹之資さんの心に残る舞台は、10歳の時に同じ舞台に立った「連獅子」。お父様から唯一教わったのは、この獅子の毛振りなのだそうです。
中村富十郎さんのお母様は吾妻流の宗家、吾妻徳穂さん。代々受け継がれていく芸術は、思い出と共に、ますます輝いてもらいたいです。
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