これは、人間学を学ぶ月刊誌「到知」の6月号に載っていた記事からの抜粋です。
東洋ライス社長の雑賀慶二さん(87)。独自の高い技術力によって、不可能を可能にしてきた人。
米のとぎ汁によって環境汚染を防ぐ「BG無洗米」、栄養と旨味成分がたっぷりの「金芽米」などのヒット商品を生んでいる・・・
雑賀さんが終戦を迎えたのは小学校6年生の時。
地元、和歌山はその2ヶ月前に空襲に遭い、家や蔵は焼失。父親はそのショックから働けなくなり、15歳の時から雑賀さんは大黒柱として働くようになる。
当時はまだ配給制で、1回あたりの米の配給量が少なかったため、大型機械では精米できない。
何とかできないものかと試行を重ね、自宅にあった中古の精米機に手を加えて、少量でも精米できるように改良。
少しでも生活費の足しになればと、心配する母親の反対を押し切って精米業を始めた。
すると、お客さま視点に立ったこの商売が大繁盛。朝から行列ができ、小銭を入れる空箱が、晩にはいっぱいになった‼️
「それを毎晩、裸電球の灯りの下で母が嬉しそうに数えるのです。その姿を見る度に、私も喜びを噛み締めたことを覚えています。貧困を長らく耐えていた母の笑顔が、私の起業家としての原点なのです」
夫が働けなくなり、貧困の中、これからどうなるのだろうと心細い思いをしていたお母様。
思いがけず15歳の息子が始めたことで小銭が入った。裸電球の灯りの下で、空箱いっぱいになった小銭を嬉しそうに数えている・・・
その嬉しそうな笑顔が雑賀さんの脳裏に焼き付いていて、「それが自分の原点なのです」といい切っておられるところに、何ともほのぼのとした温かいものを感じます。思わずこちらもニンマリしてしまうお話でした❤️
⭐️今週の東京は雨の多い一週間でした。皆さまどうぞ良い週末をお過ごし下さい。また来週の月曜日に(^ ^)
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