いい話

愛する人が急逝した人の想いに触れて〜グリーフケア〜

新聞に載っていた、ある人の手記です。

2016年9月15日の朝、その人のご主人はひどい腹痛で病院へ。検査入院したら膵臓がんで、転移もあった。

「治療は難しい。残り時間は月単位」と告げられた。

ご夫婦は病院の丸テーブル席に、手を握りあって座った。ご主人は大学2年だった一人息子のことを、まず口にした。

「僕に何かあっても、大学の心配はさせないで。なんとかなるから。ごめんな」・・・

自分が大変な時に家族を思ってごめんなと・・・この一言を聞いただけで、この方の人となり、ご夫婦の関係が伝わってきますよね〜

自宅での緩和ケアを勧められ、帰宅したものの、急変。10月1日の朝、病院で息を引き取った。54歳だった。

がんの疑いで入院し、わずか16日。現実とは到底思えない夫の死。死後の手続きで区役所に行き、住民票を見た瞬間、「あ〜」と声をあげて泣いて動けなくなった。

夫の名前の欄に、大きなバッテンがついていたのだ。

「元気に走っていた人がどうして?」「そんなに悪くなるまで、どうして気がつかなかったんですか」・・・悪気は無いのだろうが、周りの言葉に傷ついた。誰よりも自分がそう思い、自らを責めていたのだから。

弔問の知人たちには明るくふるまった。「思ったよりお元気そうですね」・・・本当は「夫が死んだばかりでつらいんです」と書いたゼッケンをつけて歩きたいほどだった。

暗闇にうずくまるようだった・・・と。

「そんなに悪くなるまで、どうして気がつかなかったんですか」「思ったよりお元気そうですね」・・・あ〜心ない言葉に、どれだけ傷ついたことでしょう!

愛する人を突然亡くしてしまった悲しみに追い討ちをかけるように、そんな何気ない言葉で人を傷つけてしまっていないか・・・正直、自分が怖くなりました。

その方は、ネットで「グリーフケア」と出会い、死別の悲しみのプロセスを知り、泣きたい時は思い切り泣いたらいいと教えられ、少しずつ自分を取り戻していかれたようです。

あ〜良かった〜

そこまでの想いをまだ体験していない私は、グリーフケアというものがあることを、初めて知りました。

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