昨日のブログで書いたのは、佐藤愛子さんの著書「思い出の屑箱」のこと。
お父様との思い出を「全生涯で一番の幸福」と書いておられるのを読んで、「私の全生涯で一番の幸福って何だろう?」と、フッと思いました。
最初に出てきた場面は、もう30年以上前。思わぬ出来事で、夜逃げ状態で3人の娘たちと遠くに引っ越した時のこと。引越し先はマンションの9階でした。
こぞって引っ越しを手伝ってくれたのはママ友の皆さん。関西から駆けつけてくれた母が、皆さんと一緒に9階の部屋に入った瞬間・・・
「皆さん、景色がよろしいよ〜」。
満面の笑みで、とびきり明るい関西弁で、こう言い放ったのです!
家を無くし、財産を失い、これからどうなるの?という空気の中、それはとても意外な言葉でした。母のそのひとことでみんながドッと笑ってくれました。
その笑いで、私の気持ちがどれだけ救われたことか。その時の感覚は、いまだに忘れられません。
そして、その夜だったか、母が私にポツリとこう言いました。
「流れに身を任せることも大事やよ」。
これは、その後もず〜っと私の気持ちを励ましてくれた言葉です。そうか、ジタバタせずに流れに身を任せればいいのか・・・と。
そして今は、娘たちがいろいろな人生の局面にぶつかる場面で、この言葉を伝えています。つらい局面であればあるほど、響く言葉のようです❤️
私にとって、「全生涯で一番の幸せ」とまではいかなくても、確実に幸せを実感できる思い出であることは間違いありません。
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