昨日の新聞のコラムに引きつけられました。
30代の女性Fさんは9歳の息子と暮らすシングルマザー。
3年前の胃がんと診断され、胃の大部分を削除、薬物療法を続けていたが、1年前に転移が見つかった。
息子に「治るの?」「ママは死なないよね?」と尋ねられるたびに、どう答えたらいいのか迷うと。
そうでしょうね〜 9歳になった息子さんは、もう、いろんなことが分かる年ですものね〜
その答えとしてのアドバイスは、「言える本当のことを」と。
「治りたいから、つらい治療だけど続けている」
「半年後の大会に応援に行きたいから、病院の先生が勧めることをしている」
なるほど。ウソとつくのではなく、「言える本当のこと」を伝えるのですね。それが子どもにも伝わる・・・
息子さんが10歳の誕生日の時も入院中。
退院予定日がちょうど誕生日の当日だったが、はかばかしく回復せずに延期せざるを得なかった。
「退院が延びた。ごめん」と伝えると、
「これまでで最悪の誕生日」と返ってきた。
「私はダメな母親です。いろんなことをずっと我慢させた上、約束を守れない自分がふがいない」
「いつもは心配するそぶりを見せない息子が、今回は病院に向かう私の車の後ろを必死で追いかけてきました。何か感づいているのでしょうか」と涙ぐむ母親。
新聞を読みながら、泣けてしまいました。
母ひとり子ひとり・・・車を必死で追いかける子ども、それを振り切って病院に向かう母親、いったいどんな思いだったことでしょう。
病院でも出来ることを探し、誕生日のカード作りを提案。
もともとサバサバした性格の母親は、「こんなの初めてだから恥ずかしいな。ドン引きするんじゃないかな〜」
と言いながら手作りのカードを作り始めた。
シングルマザーの母親は、父親としての意識も強いから、サバサバ、強気の性格にならざるを得ないのですよね〜分かります。
シールで子どもの名前を表紙に飾り、開くと子どもが熱中している野球のバットやクラブが飛び出す仕掛け。
「本気でメッセージを書きました」と。
1週間後、Fさんは退院。
「かなり悪いみたい」と息子に伝え、息子はいつものように「死なないよね」と尋ねた。
「死にたくないから頑張っている」と答える母親に、
息子は一言「ガンバレ」と。
母親の必死に生きる姿勢に、思わず出たエールの言葉。
「支え合って生きてきたFさん親子らしい会話の中に、互いの万感の思いが込められていました」と。
カードを贈って数ヶ月、在宅診療を受け、息子、親戚、友人に見守られて旅立った母親。
息子は近くに住む伯母に引き取られていきました。
と、コラムの締めくくり。
まだ30代のお母さん。小学生の息子をひとり遺していくということへの想い・・・胸がキュ〜ッとなります。
きっと、母親から愛されたという間違いのない記憶を胸に、強く優しい男の子に育たれることでしょう。
心から祈ります❤️
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