今日、8月9日は長崎の原爆記念日。やはり今年は75年の節目。長い年月が経ちましたね〜
西村さんと言う、長崎での被爆体験者の男性が話しておられました。
退職して、趣味で絵を描き始めた西村さん。
ある時、「原爆の絵を募集している。絵を描いているというなら出展してみたらどうだ?」と友人に持ちかけられた。
そういうならと、最初は意地のような気持ちで描き始めたそうです。
主に描いたのは、女性の姿。
被爆直後、同じ工場で働いていた女子高生に「西村くん」と声をかけられた時のこと。
体じゅう火傷で、洋服も燃えてしまった彼女。
「恥ずかしい」と言うのを、「恥ずかしくなんかない!」と手を取ったらズルッと手の皮がむけた。
その姿、その感触が忘れられないと。
最初は思い出すのも辛かったけれど、描いていくうちに気持ちが変わってきたというのです。
思い出すのも辛くてフタをしていた体験を、絵に描いていくうちに、人にも話せるようになってきた。
自分の体験として受け入れられるようになってきたと。
「辛い体験を人に話すことで、気持ちがラクになってきた」
という話はよく聞くのですが、
「絵を描くことも同じ」
なのですね。
誰かに話す、誰かに伝えようとすることで、自分の中で消化出来るようになってくるのでしょうか。
西村さんが最後におっしゃっていたこと。それは
「この絵が描けて、今こんな話ができるのは、ボクの力ではありません。
あの時の女子高生、あの時の人たちがボクにその力を与えてくれた。感謝の気持ちでいっぱいです」
と。
戦争を体験した方々には、お話でも、文章でも、絵を描くことでも・・・どうぞ、見たこと、感じたこと、辛かった気持ちなどを伝えてもらいたいと、強く思います。
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