ここのところ、新聞に萩本欽一さんの連載が載っています。
東京の上野で6人きょうだいの5番目で生まれた萩本欽一さん。幼い頃は、お手伝いさんもいて裕福な家庭だったが、父親は土曜日ぐらいしか帰ってこない。
母親に「どうして?」と聞くと、「月〜金、朝から晩まで働いでいるのよ」との答え。「他の家は毎日帰ってくるよ」と言うと、「それ、仕事してないんだ」と(笑)。
後で分かったのは、本当は借金で逃げ回っていただけ。浅草に別の女性がいて、一緒に住んでいた。その女性を母親は「おばちゃん」と呼んでいて、萩本欽一さんも夏休みに遊びに行っていたりしていたと言うのです。
そして、とうとう中学時代に父親が事業に失敗した。ウソをつくのが上手な母親のおかげで生活の辛さを感じることはなかったが、借金取りが家にきて、貧乏に気づかされる日が来た。
「お金が払えなくてすみません、すみません」と、怒られながら頭を下げる母親の姿を見ていたら、涙が止まらなくなって、「おふくろのことを助けてあげたい」と思った。それで、どうしたらお金持ちになれるか考えた・・・。
そこから、日本を代表するエンターテイナーの萩本欽一さんが生まれたのですね。
子供の幸せのために上手にウソをついていたお母様。愛情にあふれた、心の広い、素晴らしい人だったのだろうな〜と想像します。
もちろん、お母様はすでに他界されているでしょうけれど、その精神、その生き方は、ず〜っと生き続けているのですね。
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