もう何年前になるでしょう。
シスター渡辺和子さんのお話を聞くチャンスに恵まれました。
その当時、ノートルダム清心女子大学の学長でいらしたシスター渡辺。
「置かれた場所で咲きなさい」で、有名な方。女らしくてお綺麗で、しかもバリバリと仕事をしておられるという、私にとって憧れの存在でした。
仕事というものを始めたばかりで、「仕事の出来る女」と言われることに憧れていたのだと思います。笑
実際にお会いしてみると、おっとりとしたソフトな語り口、上品なたたずまい、柔らかな笑顔、、、その魅力は想像以上でした。
お話の内容は覚えていないのですが(ごめんなさい〜)、ひとつだけ、強烈に忘れられないフレーズがあります。
「You are wasting the time.」
それは、シスターが最初にアメリカの修練院で研修を受けていた時のこと。
食事の準備で、100人以上のシスターのお皿やコップを並べる仕事があり、沈黙のうちに手早く行っていた時、先輩の修練長のシスターにこう聞かれた。
「あなたは何を考えながら仕事をしているのですか?」と。
「別に何も」
との答えに、
「You are wasting the time.」(あなたは時間を無駄にしている)
と叱責されたシスターは、一瞬戸惑いを隠せなかった。命ぜられたことを、命ぜられたようにしていたのにと。
「時間の使い方は、そのままいのちの使い方なのですよ。同じ仕事をするなら、やがて夕食の席につく一人ひとりのシスターのために、祈りながら並べてゆきなさい」
「何も考えないで皿を並べるなら、ロボットの仕事と同じです。つまらないと考えて過ごす時間は、つまらない人生しか残してゆきません。」
「時間の使い方は、いのちの使い方」
「この世に雑用という用はない。用を雑にした時に雑用が生まれるのだ」
、、、心に叩き込まれた、修練院での1コマだったそうです。
「You are wasting the time.」
その時のシスター渡辺の表情、声のトーン、、、そっくりそのまま、よみがえって来ます。
何か単純作業をしている時、何も考えずに手だけを動かしている時、できることは
「相手のために祈る」こと。
あぁ、そのこと、忘れてたな〜
不遜だったな〜
目に見えないからこそ、大切に、丁寧に、祈りを込めて、、、
心に留めておきたいと、改めて思いました。
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