いい話

戦争のもたらす悲劇

「アウシュビッツ 死者たちの告白」という題名のNHKスペシャル。

重いテーマだな〜と思いながらチラッと見ているうちに、思いもかけない内容に驚きました。

第二次世界大戦中、ユダヤ人の大量虐殺が行われたアウシュビッツ強制収容所。そのガス室跡の地中から「謎のメモ」が見つかった。

最新技術で解読したところ、書いたのは、同じユダヤ人たちをガス室に送り込んだ、ゾンダーコマンドと呼ばれる同胞のユダヤ人だったというのです!

同じユダヤ人が・・・驚きました。

そのメモには、「生き残る」ことへの執着、同胞の殺戮に加担する苦悩、悲しみ、助けを求める悲痛な叫びが記されていた。

自分の妻子がガス室で殺されたことをのちに知った彼は、それに加担して生きていることを激しく恥じる。

何度も一緒にガス室で死のうと思ったが、「生きる」ことがナチスへの復讐だと思い、生き延びようとしたという。

裏切り者の自分、卑怯者の自分、でも生き延びている自分・・・彼は、いったいどんな思いで、その任務を遂行していたのでしょう?

戦争の悲惨さの中でも、とりわけ想像を絶するほどの内容でした。

そして、同じようなことが日本人の体験にも。

8月20日の新聞に載っていたのは、多胡恭太郎さんと言う、95歳の方の証言。

その当時、日本統治下の台湾で多胡さんに課せられたのは、特攻隊の命令書作りだった。

「書くときは隊員の顔が頭に浮かんでな。みんな知っとる顔じゃ。

身を斬られる思いじゃった。人殺しと一緒じゃ。」

と。

多胡さんも特攻隊員になるはずだったが、作戦室に転属となった。

「字が丁寧だったぐらいしか理由は分からん。でも『助かった』と思った。

一方で本来ならわしが行くはずじゃったところに仲間が飛び、死んでいく。申し訳なくて潰れてしまいそうやった。」

と。

多胡さんは、戦争後、戦時中の日々を口にすることはほとんど無かった。

そうでしょうね〜 思い出すのも辛いですものね〜

それでも、今、戦争体験を伝えなければと取材に応じられたとのこと。すごいことだと思います。

今年は戦後75年。

最新の技術で判読されたメモの内容と、「今、自分ができること」として、辛い胸の内を語って下さったこと・・・

奇しくも、そこには共通する「極限の思い」が存在していました。

簡単に捉えることも、書くこともできませんが、そんな人々の思いに、心を傾けたいと思います。

日曜日の朝から、かたくて重い話題でした。ごめんなさいです。

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