2020年8月、ご長男(11歳)を小児脳腫瘍で亡くされたお母さんのお話です。
つらくても痛くても涙を見せない彼に「なんでそんなに強いの」とお母さんが尋ねると、「ママ、人生は1回きり。泣いてちゃダメだよ」と励まされたと言うのです。なんという健気なお子さんでしょう!
亡くなる少し前も、ベッドでリコーダーの練習をした。お母さんが支え持ち、彼は麻痺していない方の右手を動かし、ふーっと吹いて音を出した。かすかな渾身の音だった・・・と。
あきらめちゃダメなんだね。11年間の凝縮した人生で、彼は生きる意味を教えてくれた、とお母さん。でも、本当に辛かったでしょうね〜。
「ひとりぼっちだ〜」・・・亡くなった後、すさまじい孤立感に襲われたお母さんが救いを求めたのは、認定NPO法人「病気の子ども支援ネット遊びのボランティア」の理事長の坂上和子さん。
子どもを失くした親たちと一緒に、料理を「作って、食べて、語り合う会」を企画。初回は水餃子とエビシューマイ、皮から手作り。「調理に没頭して、泣く間はないですよ」・・・作った料理やコーヒーを楽しみ、親たちは亡き子どものことを話す。「そうだったんですね〜」と相づちを打って聞く・・・。
「グリーフケアって構えないのがいいんじゃないかな。グリーフサポートという気持ち」と、坂上さん。
「ここでは夢中で料理するから悲しみを忘れられる。生き抜くための光なんです」とは、息子さんを失ったお父さんの言葉。「家に帰ればまた悲しいけれど、この場があることが力になって癒されていくのだと思う」とお母さんもうなずく。わかるような気がします。少しずつ少しずつ、なのですよね。
おいしいものを、作って、食べて、語り合う・・・この3点セットが素晴らしい!グリーフケアって難しそうだけど、これなら私にもできるかも⁉️
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