Eテレの番組、バリバラ(バリアフリーバラエティ=障害者情報バラエティ)で、薬物依存症のことをやっていました。
ダルクと言う、民間の薬物依存症リハビリ施設があります。
ダルク代表の近藤さん自身も、以前薬物依存だった経験の持ち主。
薬物は39年やめているけど、常に、また欲しくなる危うさと戦っていると。
薬物依存症。世間では「意志が弱いから」と言われるけれど、
意志の弱さとは違う次元とのこと。
それは、しばらく食べていなくても、目の前に梅干しを出されると、ジワっとツバが出てくるのと同じ。
一度体験すると、身体に染みついた感覚は一生消えない
のだそうです。
一生戦い続ける人生なのですね。
ダルクでやっている治療法は、1日3回のミーティング。
小さい頃の自分を振り返ったり、辛い気持ちを語ったり、、、本音を吐き出すことが目的。
仲間と話すうちに、人に理解されない寂しさから逃げたかったのだと気づく。
話せる仲間がいることで、自分のことを理解してくれたと言う安心感がある。求めるのは共感できる仲間。
そして、「何とか今日1日、薬を使わずに済む」
と言うレベルなのだそうです。
そして、番組の中で強烈に心に残ったのは、
「依存症とは、安心して人に依存出来ない病気なのです」
という、精神科医の言葉でした。
なるほど。人は皆、何かに依存して生きている。薬では無い、何かに。
それが、人に言えず、まわりに頼れず、苦しんで、たまたまそこにあった薬に手を出してしまった、、、その危険性は誰にでもあるのですね。
改めてその恐ろしさを知り、孫たちにもどうやって伝えて行こうか
と、考えさせられました。
前述のバリバラに出演していた田代まさしさん(さんをつけて良いものかどうか、正直迷いました)が、今回捕まる前に語っていた体験談。
「溺れて死にそうになった時に、これで助かる!と目の前にあったものにつかまったら、捕まった(笑)」と。
笑い話にするところがさすがですが、その時に彼が思ったことは、
「手を出してはいけないとは分かっていたけれど、自分はやめられると思っていた」と。
自分の意志とは関係の無いところで、やめたいけどやめられない、、、そうして、深みにはまって人生を狂わせる人が、どれだけいることでしょう!
その恐ろしさと共に、今回知ったことは、薬物依存症の人の更生法の変化です。
社会的に制裁を加えて「もうこりごりだ」と思わせるだけではなく、社会が受け入れて行く体制が必要と。
例えば、田代まさしさんの場合も、繰り返し捕まっているけれど、その間隔は開いて行っている。
「そのことを認めて、その努力を評価してあげる」
と言うやり方。
そんな社会の必要性を、強く感じました。
受け入れる体制を作るのは簡単ではないでしょうけれど。
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