「小唄を聴いているとなんにもどうでもかまわないという気になってしまう」・・・
これは小説家、林芙美子さんの言葉です。
書くことの厳しさに追い詰められるような時、軽い「小唄」を聴いているとフワッと開放されるような心境になるのかな〜と想像しました。
そして、あることを思い出しました。
もうずいぶん前のことですが、中学時代からの友人が、20歳になる娘さんを急に亡くされたのです。
急を聞いてかけつけたものの、かける言葉が見つからなかったことを思い出します。
それからしばらくして、私の身に思いがけない不幸(その時はそう思っていました)が降りかかった時、その友人がボサノバのアストラッド・ジルベルトのCDを送ってきてくれたのです。
確か”イパネマの娘“だったかな。軽妙な音楽にハスキーな歌声。
「しんどかった時、これを聞いたら不思議と気分が変わったのよ。妙に力が抜けてね」と。
大変な体験をしたからこその、彼女の真の優しさを感じた、忘れられない体験です。
“アストラッド・ジルベルト”と“小唄”・・・「ま、いいか」と思えるような、不思議な共通点があるのですね。
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