ずいぶん昔の新聞の切り抜きから。
以下は「夕焼けエッセー」というコーナーへの、63歳の大阪の主婦の方の投稿です。
「私には3人の子供がいる。息子39歳の重度障害者、娘33歳と32歳。
息子の訓練や学校の送迎などで忙しく、娘たちは赤ちゃんの頃からほとんど保育所で大きくなった。学校時代も行事や授業参観にはめったに行けず、担任の先生の顔すら知らなかったこともある。外出でも息子だけは連れて行き、好きな物を食べさせた。
お母さんは、息子さんのことに必死だったのですね〜
ある日、娘たちに『一度ファミリーレストランに行きたい』と言われたが、『あんたらには歩ける足があるし、自分で食べることもできるやろ。大きくなったら好きな所へ行って好きな物を食べられるよ。でもお兄ちゃんは、自分では何もできへんのやから』と言って聞かせた。そんな娘たちも今、助産婦と看護婦になって頑張っている。
妹さんたちはファミレスにも行けなかったんだ〜。
小さい頃はわがままも言いたかったでしょうに〜
いつの頃か私が、『お兄ちゃんがいるから結婚でけへんかもしれんよ』と言ったらしく、二人とも女が一生できる仕事を選んだという。『お母ちゃんたちのいなくなったあと、お兄ちゃんの介護のことも考えたんや』と言われ、気の強い私もつい涙がこぼれた。
あぁ〜私もうるっと来てしまいます〜
そんな娘たちが今、優しいだんなさんと、6歳を頭に10ヶ月の赤ちゃんまで、4人のお母さんになっている。
自分の子育ての頃は忙しくて子供をかわいいと思う余裕もなかったが、今は孫たちが毎日遊びに来て、可愛らしさをふりまいてくれる。
孫たちのママがひと声、『帰るよ、お兄ちゃんにバイバイしておいで』と言うと、孫たちは寝たきりの息子に『バイバイ』と言って、ほっぺにチュウして帰っていく。
その時の息子の嬉しそうな顔・・・、とても幸せ❤️
重度障害者のお兄ちゃんを必死で育てる母親の姿を、
その眼で見て育った娘さんとお孫さんたち。
お兄ちゃんのために、一途に、全力で、
日々闘い続けている母親・・・
これ以上の教育は無いのではないでしょうか。
大変な生活の中で、これ以上ない愛の尊さを
感じ取ってきた証ですね〜
もう、20年ほど前のこの切り抜き。読む度に感動です❤️
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