大阪市で認知症のケアに取り組む精神科医の方が、新聞のコラムに書かれていました。
それは、認知症家族会代表のY・Mさんという45歳の女性のこと。
彼女は、認知症の人の悩みを聞き、ケアの方法や施設の相談などにのっている頼もしい存在。
あるフォーラムの講師として一緒になった時の楽屋で、「Mさんは、誰の悩みにも答える経験と知識があって、安心できる支援者ですね」と言った途端、彼女は泣き崩れたというのです。
「私、母を殺しました」
と衝撃的なひとこと。
「私は15年前、認知症の母を介護していました。
同じことを繰り返し質問する母に苛立って、ついきつい言い方をすると、母は怒りを込めて私の幼かった時のふるまいを責めてくるのです。
思わず『うるさい!』と怒鳴りつける毎日でした。」と。
それは決して家族には知られたくない秘密だったとのこと。ひとりで抱えていたのですね〜
「仕事で遅くなったある夜、実家に立ち寄った私の目に飛び込んできたのは、浴槽に水をためようと前かがみになり、頭から浴槽に沈んだ母の姿でした。
母はお風呂のお湯を入れることができなくなっていたのです。
私が怒って『できることはやって!』と言わなければ、溺れることはなかったでしょう」と。
あぁ〜それは辛い〜 この新聞のコラムを読ムたびに、心臓がキュッと固くなるような、なんとも言えない気持ちになります。
どんなに辛かったことでしょう!そして自分を責めずにはいられなかったでしょうね〜
「私のような間違いがくり返されないよう、認知症の家族会を続けています」と。
そして、その精神科医の先生の言葉。
「彼女に言ってあげられるのは『われわれは介護経験の失敗を共有する仲間だ』ということ。
涙の日々の中でも、暗闇のはざまに光を見いだすことができるかもしれないと信じています」
私自身が救われたような気がしました。
言える人がいて良かったな〜、少しは気持ちが楽になったのではないかな〜と思います。
「暗闇のはざまに光を見いだすこと」
暗闇の中にあっても、人が前を向ける、生きていくことができる・・・
そんなお手伝いができるとしたら、どんなに嬉しいことでしょう‼️
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