「蒼天のほし」は夜間保育園が舞台の小説。著者はいとうみくさん。5月に双葉社から出版されている。
「夜間保育園」と聞いた時は、咄嗟に可哀想な子供たち」と思いました。その親はネグレクト(育児放棄)ではないか?と想像してしまったのです。
「蒼天のほし」の中に出てくるのは、広告会社勤務の父子家庭だったり、ホステスの母子家庭だったり・・・。
働かなければ生活は行き詰まる。頼る人も無い中、夜子供を家に残して仕事に出たり、急か出張に対応したり。何とかするしかない人たちがいるのですよね。
そして、発表された研究によると、「夜間保育における子供たちの心身に悪影響はみられない」とのこと。そして著者のいとうみくさんは「ここで過ごす子供は不幸ではない」と、取材を通して確信されたと。何だかとてもホッとしました。
タイトルの「蒼天のほし」は、明るい場所からは見えない星のこと。見えないけど輝いている。
「子供の幸せはね、子供だけを見てもダメなの。子供を幸せにするには、親も幸せにならないと」…夜間保育園の園長さんの言葉が印象的だったと書く、いとうくみさん。
子供を預けて美容院に行った母親を批判したり、「子供のためなら自分のことは後回しにするべきだ」という考え方がまだまだ根強い日本。それが親にとっての呪いになっていないかと。
安心できる夜間保育園があること、本当に大切な環境だなと、つくづく思ったことでした。



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