2019年12月4日、用水路の作業現場へ行く途中、志なかばで何者かの凶弾に倒れて帰らぬ人となった中村哲さん。
アフガニスタンでの30年、医師として、灌漑用の用水路の開発者として、日本人でありながらアフガニスタンのために尽くしきった人。その偉業のことは、前にも話に聞いていました。
でも昨日、「荒野に希望の灯をともす」というドキュメンタリー映画を観て、その凄さは想像をはるかに超えていました。
あぁ、こんな人がいるんだ〜。ひとりの日本人が奇跡を起こしてアフガニスタンの人々の命を救ったんだ〜。純粋な想いを貫く人は、こんないい顔になるんだ〜・・・心が震えるほど感動しました。
映画を作ったのは谷津賢二さん。21年間カメラを持ち、ずっと中村医師の背中を追い続けてきた人。だからこそ、その日常の行動、言葉、表情の全てがリアルに迫ってくる。画面に出てくる言葉の深いこと!
そして、映画の中で流れるピアノ曲は、生前から愛聴していたモーツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。演奏しているのは次女の中村幸さん。あぁ、お嬢さんのピアノなんだ〜。
福岡県生まれの中村哲さんはもともと精神科の医師。1978年に初めてパキスタンを訪れてから、最初は医師としてその悲惨な現状に立ち向かう。ハンセン病で手足が無い人。その痛みに悶え続ける人。栄養失調で死んでいく子供たち・・・。
それだけでなく、アフガニスタンを襲う大干ばつ、アメリカの同時多発テロがきっかけの空爆・・・これでもかと言うほどの苦難の日々。
そんな中、中村哲さんは意を新たにする。
「アフガニスタンの問題は、政治や軍事問題ではない。パンと水の問題である」「まず、生きること。病気を治すのはその後でいい」「きれいな水があれば、砂漠化した土地に農作物ができる」・・・
この信条で、経験したことの無い、用水路の建設を目指す。
無謀と言われ、非難されながらもやり遂げていく彼。自分の大事な10歳の息子の死に寄り添うこともできないまま。
映画館の暗闇の中で、思わず私がノートに書き留めた言葉は、
「人は見ようとするものしか見えない」・・・「見ようとすれば見える」、そして「出来る」に一歩近づくのですね。
・・・あぁ、100分の1も伝えられない! ぜひ「荒野に希望の灯をともす」で検索してみてください。近くの映画館でやっているかも?です。
人の力の凄さ、想いの崇高さ、不可能は無い・・・・とにかくひとりでも多くの人に、この映画を観てもらいたい・・・その想いでいっぱいです。
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