世界遺産の沖縄の首里城が全焼したとのニュースは、私にとっても衝撃でした。
私が初めて沖縄に行ったのは、2006年1月17日でした。
なぜはっきりと覚えているかと言うと、私の母が急に亡くなったのが2006年1月13日。
「まだ初七日も済まないのに行かなくてはいけないの?」との周りの空気を感じながらも、母に「大丈夫だから行っておいで」と背中を押された気がしたのです。
予定通り取材のために訪れた初めての沖縄。素晴らしい出会いがありました。
それからしばらくは毎月のように通い、たくさんの美容師さんの話を聞きました。
そこで私が触れたのは、沖縄の歴史、そこから来る文化、そして人々の考え方でした。
沖縄の住民が巻き込まれた悲惨な沖縄戦、本土復帰、米軍基地の問題、、、様々な問題を抱えながらの生活の中から、
「なんくるないさ〜」
の言葉が生まれたのだと思います。
「大らかに受け止めるしかない」
と言うことでしょうか。
そんな沖縄の人々にとって、首里城は平和のシンボルだったようです。
琉球が統一されてから450年。代々の王の居城だった首里城は、
「居ずまいをただして仰ぐ存在」
だったと聞きます。
作家又吉栄喜さんは、昔の思い出に触れ、首里育ちの母親の言葉を書いておられます。
「周辺に住んでいる人たちには誇りが胸にあり、家の前の道を清掃する前に身だしなみを整える」
と。
「掃除をする前に身だしなみを整える」、、、その存在の大きさと共に、それだけの想いを持てる人々の崇高さに、ジーンと来るものを感じずにはいられません。
先の大戦で米軍が容赦なく砲撃を浴びせ、復元されたのは1993年のことだそうです。
首里城の焼失は今回で5回目とか。
今回も、一日も早く復元されることを祈ります。
この記事へのコメントはありません。